塩漬けにした鶏むね肉を低温調理でしっとりやわらか。“お鍋に入れておけば”、“レンジで簡単に”、手軽に作れて、ヘルシーな鶏ハム。
私もよく作りますが、レシピ通りに作ってみても、切ってみたら赤い点があったり、ピンクの部分があったり、「これは生なのかな??」と不安になって、もう一度加熱。結局、加熱のしすぎでせっかくの鶏ハムがパサパサに、なんてことが何回もあります。
今回は、もう失敗しない!鶏ハム作りでよくみられる「赤い点とピンク色の正体」と、鶏ハムを安全に美味しく食べるための「生の場合の見分け方」についてお伝えしたいと思います。
鶏ハムに赤い点があっても大丈夫?
「さあ鶏ハムを食べよう!」と切ってみたら中に赤い点。「これってもしかして火が通っていないのかな?」と心配になることがあるかと思います。
この「骨髄液」は血液をつくる「もと」となるもので、血液のヘモグロビンと同じように赤みを帯びています。加熱すると固まって茶色っぽい色になりますが、変色しにくい性質もあるため、十分に加熱しても色が変わらず、赤い点や赤い色が残ってしまうことも。
骨付きの鶏肉を調理すると赤い部分が残ることがありますが、骨がついていないお肉でも、骨に近かったりすると骨髄液が滲み出ることがあるようです。
火が通っていればOK!
せっかく作った鶏ハムにこのような赤い点があっても、きちんと火が通っていれば、問題なく食べることが出来ますよ。
もちろん、生焼けで赤い点ができることもあるので注意が必要です。
できあがった鶏ハムに竹串やつまようじを刺してみてください。しっかりと加熱されていれば、肉汁の色が透明になります。もし、肉汁が赤い場合はまだ中が生なので、必ず再加熱をしてくださいね。

鶏ハムにピンクの部分があっても大丈夫?
鶏ハムを切ってみたら今度は中がピンク色。「これもまた生なのかな、、?」とまたまた心配になります。
鶏肉だけでなく、お肉にはミオグロビンという色素たんぱく質が含まれていて、60℃以上で性質が変わり、80℃以上で色が茶色っぽくなる特徴があります。
焼肉やハンバーグなど、お肉を加熱調理するとピンク色から茶色になりますが、鶏肉は白っぽいですよね。これは、鶏肉が他のお肉よりもミオグロビンの含まれる量が少ないからです。
ピンク色になる2つの理由とは?
加熱をしたはずなのに、鶏ハムがピンク色になる理由は、このミオグロビンが関係していて、ふたつの原因がある、と言われています。
・ミオグロビンと亜硝酸塩という成分の反応によって火が通っていても色がピンクのままになる。
・熱耐性のあるミオグロビンがあること。
亜硝酸塩は鶏が飼育されていた時のエサに入っていたり、料理に一緒に使う野菜にも含まれていることがあるようで、これらが影響しているそうです。
熱耐性のあるミオグロビンだった場合は、いくら加熱しても色はピンクのままで変わりません。
どちらの場合も、しっかりと加熱されていれば問題なく食べることができるので安心してください。

鶏ハムが生の場合の見分け方について
生焼けの鶏肉は食中毒の危険性があるので、そのまま食べるのはとても危険。
一般的に中心温度が65℃以上であれば、火は通っているとされますが、食材の中心温度を測る温度計をお持ちの方はあまり多くないと思います。
ただし、中心温度計がなくても、手軽に見分ける方法がふたつあります。
・つまようじを刺してみる
・切ってみる
つまようじを刺してみる方法の詳細
まず、ひとつ目の「つまようじを刺してみる」方法。
先ほどもお伝えしましたが、できあがった鶏ハムにつまようじなどを刺してみて、肉汁の色を見てみます。透明の肉汁ならば大丈夫。ピンクや赤い汁は中が生の状態です。
このとき、きちんと火が通っていればスッとつまようじが刺さりますが、生だと刺さりにくくなるので、一緒にチェックしてみてくださいね。
できあがってすぐの鶏ハムに、つまようじを刺してみて、10秒ほど待つ方法もあります。刺したつまようじを手の甲にあててみて、あたたかければ中まで火が通っている証拠です。
切ってみる方法の詳細
もうひとつの「切ってみる」方法。
できあがった鶏ハムを切ってみましょう。全体的に白っぽく、うっすらピンクがかっている部分、ところどころピンクの部分があるのはOK。
表面や外側は白くても、中心部分が生肉のような強いピンク色だったり、全体的にピンクなものはNG。
きちんと火が通っているものはさわったときにしっかりとした弾力がありますが、ぬめりがあったり、ぶよぶよとしているものはまだ生の状態です。

まとめ
今回は鶏ハム作りでよくみられる「赤い点とピンク色の正体」と、鶏ハムを安全に美味しく食べるための「生の場合の見分け方」についてお伝えしました。
・赤い点の正体は「骨髄液」。
・ピンク色の正体は「鶏肉に含まれるミオグロビンという色素」。
→どちらもしっかりと加熱されていれば問題なく食べることが出来きます!
「生の場合の見分け方」は
・「つまようじを刺してみる」
・「切ってみる」
→確認してみて、生っぽい場合は必ず再加熱をする。
アレンジ方法もさまざまあり、作り置きにも便利な鶏ハム。
「生の場合の見分け方」を参考に、皆さんも安全に作って美味しく鶏ハムを食べましょう!